COLUMNコラム
子宮頸がんとは
子宮頚がん(しきゅうけいがん)は、子宮の入り口にあたる子宮頸部という場所にできるがんです。
日本では、年間約1万人が子宮頸がんと診断され、なんと約 3000 人が死亡しています。
2020年の結果でも子宮頸がんと診断される人も死亡者数さえも増える傾向にあります。
特に20代後半から30代の若い女性にも増えており、多くの若い働き盛りの女性や子育て世代の女性が、子宮頸がんとなり、妊娠ができなくなったり命を失ったりしているわが国の現状は、非常に深刻な問題です。
子宮頚がんの原因
主な原因は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスの感染です。HPVには、200種類以上の遺伝子型(タイプ)が存在します。
性交渉によって感染する、風邪のような、ごく一般的なウイルスで、80%の人が人生に一度は感染するといわれています。
そして感染しても多くの方は自然に消失しますが、ごくまれにがん化していきます。
HPVは皮膚や粘膜を覆っている“上皮”という皮の深くにある細胞に感染しますが。深くにある細胞に感染するためには、性的接触などの刺激によって、上皮に小さな傷ができて、そこからウイルスが深くに入り込む必要があります。
湯船や温泉、プールでウイルスに触れあっただけでは感染しませんので、性的接触がない場合に はHPV に感染することはまれであるといえます。
子宮頸がんの原因となるHPVをハイリスク(high-risk) HPV と呼び、ハイリスクHPVには、HPV16・18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 66, 68 型が含まれます。
症状
初期にはほとんど自覚症状がありません。 進行すると以下のような症状が現れることがあります。
- 不正出血(性交後や月経以外の出血)
- おりものの異常(量・におい・色など)
- 下腹部や腰の痛み
治療
手術療法(円錐切除術、子宮全摘術)、放射線療法、化学療法
進行癌にならないために
①HPVワクチンを接種してがんを予防する1次予防と、②子宮頸がん検診でがんを早期発見・早期治療する2次予防が、ともに重要です。
もし気になる症状や、HPVワクチンやがん検診について知りたいときは、当院にご相談ください。